期日 | 2008.01.26 SAT-04.01 TUE |
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会場 | 京都国際マンガミュージアム 2階 メインギャラリー |
主催 | 主催:京都国際マンガミュージアム |
協力:群馬県立土屋文明記念文学館(担当学芸員:石山幸弘)
担当研究員:伊藤遊
監修・執筆:石山幸弘(群馬県立土屋文明記念文学館学芸員)/姜峻(城西国際大学准教授)
資料および画像貸出協力:兵庫県立歴史博物館/大阪府立児童文学館/杉浦貞/安野侑志/高橋真樹/池部鞆子/水木プロダクション/現代マンガ図書館(敬称略)
京都国際マンガミュージアムでは、開館当初より街頭紙芝居の実演を毎日行ってきた。「マンガ」を扱う文化施設で紙芝居を取り上げるひとつの理由は、紙芝居の実作者が作り出した世界を、語り手と観客が直接コミュニケーションをとりながらその場で“再創造”していくというそのスタイルに、しばしばパーソナルで一方向的なメディアになりがちなマンガの読書体験とは異なる可能性を見出しているからである。一方、鶴見俊輔が指摘するように、日本におけるマンガ史を考える上で、日本独特のメディアと言われている紙芝居の存在は無視することができない。
本展は、前史を含めた紙芝居の歴史をたどりつつ、各時代の社会状況を背景に様々に果たされてきた紙芝居の役割を、具体的な紙芝居作品などで紹介する展覧会である。本展は、群馬県立土屋文明記念文学館で行われた「みんなの紙芝居」展(担当学芸員:石山幸弘)をベースにしつつ、紙芝居とマンガの深い関係を掘り下げるパートを加えた(担当:姜竣)。
また本展では、紙芝居のパフォーマンスそのものこそを最も重要な“展示物”と捉え、期間中、様々なスタイルの紙芝居師たちに、展覧会場内でそれぞれの名人芸を披露してもらい、同じ作品でも語り手が異なれば全く違う作品になってしまうことを体感できるような仕掛けを用意した。
さらに、一般向けの解説パネルとは別に、子ども向けの解説として、2人のキャラの問答によるパネルを別途制作、展示した。
(文責:伊藤遊 2100.11.19)
1 紙芝居の源流
2 街頭紙芝居「平絵」の出現
3 宗教紙芝居―教育紙芝居の始発
4 幼稚園紙芝居―高橋五山の仕事を中心に
5 戦争プロパガンダとしての紙芝居
6 戦後民主主義を啓蒙する紙芝居
7 黄金バット再び―街頭紙芝居の復活
8 マンガと紙芝居のアヤシイ関係
◆ 関連イベント
● 連続紙芝居口演会
<ゲスト紙芝居師>
・ 鈴木常勝氏 2008年2月9日(土)、10日(日)※講演会「紙芝居の俗悪性が子どもを育てた」を同時開催、11日(月)※講演会「紙芝居の戦争協力―国策紙芝居の<魅力>を語る」を同時開催
・ 杉浦貞氏 2008年3月1日(土)、2日(日)
・ 右手和子氏 2008年3月8日(土)、9日(日)
・ 森元暢之氏 & たらすな氏 2008年3月29日(土)、30日(日)
● 石山 幸弘氏(群馬県立土屋文明記念文学館 主任専門員)講演会「紙芝居史入門――覗きからくりから黄金バット、高橋五山まで」 2008年2月3日(日)
● みなもと太郎氏(マンガ家、マンガ研究家)×姜竣(城西国際大学准教授)対談「マンガと紙芝居のアヤシイ関係」 2008年2月24日(日)
● 安野侑志(京都国際マンガミュージアム 紙芝居師)×人見和宏(大津市立粟津中学校 美術科教諭)対談(えむえむ連続講座 第16回)「紙芝居をつくる・演じる」 2008年2月17日(日) ※紙芝居制作ワークショップ「ココロのトイレ」を同時開催
【ワークショップ】
● ワークショップ「水あめ工作」
◆ 関連資料
「マンガと紙芝居のアヤシイ関係」コーナー出展一覧
◆ 主要参考文献
朝日新聞社事業本部大阪企画事業部・編『「大(Oh!)水木しげる展」図録』朝日新聞社、2004年
加太こうじ『紙芝居昭和史』岩波書店、2004年(立風書房、1971年)
姜竣『紙芝居と<不気味なもの>たちの近代』青弓社、2007年
群馬県立土屋文明記念文学館編『紙芝居がやって来た』[同名展覧会カタログ]群馬県立土屋文明記念文学館、2002年
群馬県立土屋文明記念文学館編『紙芝居がやって来たⅡ』[同名展覧会カタログ]群馬県立土屋文明記念文学館、2007年
鈴木常勝『紙芝居がやってきた!』河出書房新社、2007年
鈴木常勝『紙芝居は楽しいぞ!』岩波書店、2007年
中野晴行『謎のマンガ家・酒井七馬伝――「新宝島」伝説の光と影――』筑摩書房、2007年
米沢嘉博・構成『子どもの昭和史 少年マンガの世界Ⅱ――昭和35~64年――』平凡社、1996年
『子どもの文化』2007年7月・8月号「特集 紙芝居全科――小さな紙芝居の大きな世界――」、子どもの文化研究所、2007年
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