精巧な複製原画のプロジェクト・原画’（ダッシュ）。竹宮惠子の監修の下、破損や散逸の畏れのある日本のマンガの偉大な足跡を、現状のままアーカイブする目的で進められている本プロジェクトも今年で10回目を迎えた。毎年恒例の展覧会も、今回は10年間の総括として、これまで制作された原画ダッシュ全503点の中から厳選した87点を展示した。総勢14名の作家の原画ダッシュが一堂に会する展示は初めてのことで、少女マンガの歴史と広がりを一望できるきらびやかな内容は、多くの来館者を魅了した。

本展は、東京・紀伊國屋画廊で発表した後、京都国際マンガミュージアムでも展示。京都開催では、図録『少女マンガの世界～原画'（ダッシュ）10年の軌跡～』も出版した。本図録では、所蔵品の一部を収録し、過去に開催された出展作家による座談会の書き起こしなど貴重な資料も収録されている。

京都で展示した後には、フランス、ブダペスト、オーストラリアにも巡回している。詳細は別途開催報告を参照のこと。

（文責：岩下朋世・倉持佳代子＜20130912加筆＞）

原画ダッシュ作品87点、その他雑誌資料など数点

会期中、竹宮惠子と出展作家による座談会を開催。

・2010年8月20日（土）：紀伊國屋画廊にて、今村洋子、巴里夫、水野英子、竹宮惠子による座談会。入場者数：120名。

・2011年12月17日（土）：京都国際マンガミュージアムにて、水野英子と竹宮惠子、当館研究員による座談会。 入場者数：200名。

■告知ページなど

紀伊國屋画廊展開催の様子（えむえむブログ）：http://d.hatena.ne.jp/kyotomm/20110826

京都国際マンガミュージアム開催・告知ページ：http://www.kyotomm.jp/event/exh/gengadash10th.php