展覧会報告

special-exhibition
期日 2015.4.25 (SAT) – 2015.7.5 (SUN)
開催日数 72日
料金 無料(ミュージアムへの入場料は別途必要)
会場 京都国際マンガミュージアム ギャラリー4
主催 主催:京都国際マンガミュージアム / 京都精華大学国際マンガ研究センター

協力:北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター境界研究ユニット(UBRJ)
監修:武田雅哉(北海道大学大学院文学研究科教授、中国文化研究者)
担当研究員:雑賀忠宏・倉持佳代子
展示構成協力:竹内美帆・焦凡(京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程)

展覧会要旨

縦10センチ×横13センチほどの手のひらサイズの本のなかで、古典物語から娯楽活劇、はたまた革命の英雄たちが活躍する政治宣伝色の強い物語に至るまで中国社会のありとあらゆる物語をビジュアル化し、庶民のための読み物として展開してきたメディア、「連環画」。 本展示では、日本ではほとんど知られていないこの連環画の世界を紹介しつつ、マンガという日本の大衆的ビジュアル・メディアとの接点を探った。

展示では、監修者である中国文化研究者・武田雅哉氏(北海道大学教授)の連環画コレクション300点以上をもとに、20世紀初頭におけるその出発から、中華人民共和国成立後の政治宣伝や啓蒙などへの利用拡大、そして80年代末の電影連環画をはじめとする娯楽読物としての最盛期へと至る、20世紀の中国社会と共に歩んできた連環画メディアの多様性を凝縮したかたちで提示した。さらに、40年代に発表された、モダニズムと中国民衆芸術の意匠とを取り入れた特異なビジュアルが印象的な張光宇『西遊漫記』や、「新漫画」という名のもとで90年代以降に隆盛となる中国産ストーリーマンガの雑誌や作家たちも紹介している。

また、日本人にも馴染み深い西遊記を扱った連環画作品の一部をパネル化し、その視覚的ナレーションの手法を解説した。本展の副題である〈これも「マンガ」?〉の疑問符が示すように、マンガに慣れ親しんだ観覧者の眼から見たときに、連環画における視覚的なナレーションの構造は、果たしてどれほどマンガに近しい/遠いものとして感じられるのか――ふたつのビジュアル・ナラティブ(視覚的物語)の間にあるこの距離感に観覧者の目を向けさせることで、連環画の世界について知ってもらうだけでなく、マンガを新たな視点から捉え直す機会を提供した。

(文責:雑賀忠宏2016.5.23)

展示構成

(1)連環画ってなに?

(2)連環画と中国の人々

(3)連環画を読んでみよう!

(4)連環画から新漫画へ

上記の構成に合わせ連環画・雑誌・ポスターなど総計388点を展示

展覧会風景

関連展示・資料など

 

 

■関連イベント

学術シンポジウム「〈連環画〉、そのさまざまな顔 ~他ジャンルとの接点をさぐる~」

日時: 2015年5月30日(土)午後1時~5時
会場: 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
出演: 武田雅哉(北海道大学大学院文学研究科・教授)
  加部勇一郎(北海道大学大学院文学研究科・専門研究員)
  佐々木睦(首都大学東京・教授)
  田村容子(福井大学教育地域科学部・准教授)
  竹内美帆(京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程)

学術シンポジウム「〈連環画〉、そのさまざまな顔 ~他ジャンルとの接点をさぐる~」
主催: 日本学術振興会・科学研究費補助金・基盤研究(A)
  「東アジア域内100年間の紛争・協調の軌跡を非文字史料から読み解く」
  (代表 貴志俊彦)
日本学術振興会・科学研究費補助金・基盤研究(C)
  「民国期児童雑誌の研究 ──商務印書館編訳所の活動と児童表象を軸に」
  (代表 佐々木睦)

 

新聞寄稿

雑賀忠宏 「中国の歴史とビジュアル的想像力を映し出す、手のひらサイズの小宇宙
  ――『知られざる中国〈連環画〉~これも「マンガ」?~』展」
  SANKEI EXPRESS 2015年5月4日(月)
   
雑賀忠宏 「〈いまどきマンガ塾〉民衆が愛した連環画」朝日新聞(関西版)
  2015年5月29日付夕刊
   
竹内美帆 「連環画を展示する試み――「知られざる中国〈連環画〉~これもマンガ?~」展
  および学術シンポジウム「〈連環画〉、そのさまざまな顔~他ジャンルとの連続性を
  さぐる~」を振り返って」、北海道大学連環画研究会『連環画研究』第5号、2016
   
焦凡 「「漫画」と「連環画」の間――張光宇の連環漫画『西遊漫記』について」、
  ジャクリーヌ・ベルント編『マンガにおけるオルタナティブの多面性
  国際マンガ研究5』、京都精華大学国際マンガ研究センター、2015
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