期日 | 2017/4/14(Fri)~5/14(Sun) |
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開催日数 | 24 日間[前期] / 28 日間[後期] |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 2 階 ギャラリー1・2・3 + 1 階 吹抜け |
主催 | 主催:京都国際マンガミュージアム / 京都精華大学国際マンガ研究センター |
監修:伊藤剛
監修アシスタント:三輪健太朗
企画協賛:東京工芸大学マンガ学科 / 京都精華大学 / 株式会社セルシス / 株式会社ワコム / デリーター株式会社 / コミPo!
企画協力:アートプランニングレイ / 手塚プロダクション
特別協力:大阪府立中央図書館 国際児童文学館 / NPO 法人 熊本マンガミュージアムプロジェクト / 株式会社 ボークス / 講談社 / 集英社 / 小学館 / 少年画報社 / スクウェア・エニックス / GG7 / ムービック / 有限会社トランキライザープロダクト / よつばスタジオ / リイド社 / pixiv
担当研究員:伊藤遊
日本のマンガ文化の特徴のひとつは、マンガを〈描く読者〉が数多く存在していることである。本展では、戦後、プロのマンガ家ではない素人のマンガ読者たちが、いかにたくさんのマンガを描いてきたかに注目し、そうした人たちにマンガを描くことを促している、各時代の様々な文化装置——投稿マンガ誌としての『漫画少年』や『COM』、同人誌即売会「コミックマーケット」やイラスト・マンガ投稿サイト「pixiv」など——を、同時代の史資料で紹介した。
そして、〈描く読者〉を生み出していくこうした文化装置の解説を背景に、プロになっていった13 人のマンガ原画(一部複製、デジタルプリント)約300 点を展示。戦後の各時代を代表するマンガ家たちの作品を並べることで、マンガ表現、特に描線というものに、時代のトレンドと作家の個性があることを知ってもらうのも、本展の目的のひとつだった。
ところで、このように、作品が生み出された文化的な背景を歴史的な流れとして描いた上で、表現の変遷をたどるという、一般的な美術展では当たり前のやり方で作られたマンガの展覧会というのは、実は、それまでほとんどなかった。企画を立ち上げた大分県立美術館の学芸員を中心に、複数のマンガ研究者による監修・キュレイションチームを作って、コンセプトから作り上げていくというやり方も、マンガ展の作り方としては異例だが、その意味で、公立の美術館・博物館やマンガ関連文化施設におけるマンガ展のひとつのあり方をも提示できた展覧会だったのではないだろうか。
(文責:伊藤遊 2017.3.31)
展示内容