フランスバンド・デシネ（BD）界の巨匠、ジャン＝クロード・メジエール氏とピエール・クリスタン氏の代表作「ヴァレリアンとロールリーヌ」シリーズを紹介する企画展「メジエール×クリスタンの世界――フランスSFマンガの想像力」の開催と連動した記念鼎談。

メジエール、クリスタン両氏と、フランスで最も有名な日本のマンガ家である谷口ジロー氏を招聘し、原正人氏の司会で、SFジャンルのBDについてその魅力を語り合った。

SFBDの金字塔と言われる「ヴァレリアンとロールリーヌ」について、両作家は、空想世界をリアリズムで描くことに注力した作品であり、旅行記、現代史のメタファーとして読めると解説した。谷口氏は両氏の作品から、正確な世界観を造形として視覚化されていることに影響を受け、構図の取り方や影の付け方を、作画の参考にしたという。

当時日本では両氏の作品のようなSFマンガは描かれていなかったが、谷口氏の既刊作品や当日作画実演したデッサンを例に、SFジャンルのBDが日本の作家、作品に与えた影響を視覚的にも確認できる興味深い対談となった。

（文責：猪俣紀子）

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