開催日時 | 2011.04.01 SUN 16:00-17:30 |
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会場 | 京都国際マンガミュージアム 多目的映像ホール |
出演者 | 池田理代子/谷本奈穂(関西大学准教授/「ベルサイユのばら」研究会メンバー)/東園子(大阪大学助教/「ベルサイユのばら」研究会)/倉持佳代子(国際マンガ研究センター研究員) |
参加者数 | 240名 |
主催 | 京都国際マンガミュージアム |
企画担当:倉持佳代子
特別展「池田理代子 ベルサイユのばら原画展」関連イベントとして開催。
「ベルサイユのばら」作者である池田理代子氏を招き、企画担当研究員と「ベルサイユのばら研究会」メンバー2人による質問形式で進められた。まず作品を描き始めたきっかけや連載時のエピソード、使用している画材、描くときの手の使い方など、作品を形成する周辺情報について質問。さらに商業誌での掲載を意識しヒット作を描くという決意のもと、徹底して論理的にキャラクターを作りこんでいった創作方法から、ストーリー展開に関係した週刊誌というメディアの形式まで、「ベルサイユのばら」について深く語られた。
またその当時の少女マンガ家の置かれていた過酷な創作現場の様子や、当時の女性の社会的地位の低さが創作のモチベーションのひとつであったことも明かされた。その状況を打破する思いも込め、オスカルはジェンダーを超えて人間として魅力的な人物に描いたなど、作者から貴重な情報を得ることができた。
質疑応答を終え、最後に池田氏がファンとのこのような質の高い交流が出来たことを嬉しく思うとコメントがあり、作家にとってもマンガ文化の成熟を印象付ける意義深いトークショーとなった。
(文責:猪俣紀子)