講演会・研究会報告

開催日時 2017.7.1(SAT)
会場 多目的映像ホール
出演者 【第一部】 大森久美子(活動写真弁士) 鳥飼りょう(サイレント映画伴奏) 松本夏樹(映像文化史家) 髙田苑実(Animation As Communication) 【第二部】 渡邊泰(アニメーション史研究者) 新美ぬゑ(Animation As Communication) 森下豊美(Animation As Communication)
参加者数 140名

主催:京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター/Animation As Communication 共催:おもちゃ映画ミュージアム 協力:川崎市市民ミュージアム/東京国立近代美術館フィルムセンター/大阪府立中央図書館国際児童文学館/和歌山県立近代美術館/音楽学校メーザー・ハウス 映像提供:松本夏樹/日本アニメーション文化財団/安田彪 原版協力:東京国立近代美術館フィルムセンター

講演会・研究会要旨

1917年6月30日は、現存最古の国産アニメーション「塙凹内新刀の巻」、通称「なまくら刀」が幸内純一らの手によって作成され、劇場公開された日である事を記念し、100周年目にあたる日に合わせ、上映と講演会との、二部構成で開催した。

第一部は活動写真弁士とサイレント映画伴奏者による生演奏付き活弁上映会を行った。特に「なまくら刀」の上映にはフィルムの手回し映写機による投影を行い、当時をできる限り再現した。他にも現存しない下川凹天の第一作作品の元となったと考えられる「芋川椋三・イノシシ狩り」の再現アニメーションや、断片のみ現存する北山清太郎の「太郎の兵隊 潜航艇の巻」を、絵物語から再現したアニメーション、そしておもちゃ映画ミュージアムのコレクションを使用した戦前期アニメーションを豪華につめあわせた「おもちゃ映画de玉手箱」の上映会を活弁伴奏付きで行った。
この度の上演には手回しの映写機の準備と操作を松本夏樹氏に行っていただいた。松本氏は「映写技師と弁士は阿吽の呼吸で行われているが、仲が悪いと互いが主張しだす」のだという。

幕間上映として現代作家による下川凹天トリビュートアニメーション集の上映を行い、第二部からはトークイベントとして「渡辺泰 国産アニメーション100年を語る」と題し、アニメーション史研究の第一人者の渡辺泰氏を招いて、当時の状況、特に「なまくら刀」において、幸内純一と前川千帆の役割の可能性、作成の工程などについて解説が行われた。なかでもどのように作成されているかの証拠とも言える場面を紹介していただいた。(侍の口あたりの部品が、劇中の1フレームだけ宙に浮いている。動画撮影中の取り外しミスと思われる)この事により、細かなパーツを数多くの入れ替えで作成されているか当時の作成がどのくらい苦労かが理解できる。

 

 

(文責:應矢泰紀2017.7.20)

講演会・研究会風景

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